駄らだらと語る宝塚ファンのブログ
駄らだら、たからづか。
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 「ネタバレ!」 2010年 02月 13日 (土) 01:22
ネタバレ書き終わりました。
これで心おきなく旅に出られます。

(前編)はこちら


○ エクトール

雰囲気一転。
陽気な音楽。
教会の庭で、若いイタリア兵たちが女の子たちと遊んでいる。
このお芝居で唯一の明るい場面だ。
マンドリンを弾き語りしているのは沙央くらま君。
ヒザに血のついた包帯を巻いている。
ニコニコ踊る彩那音ちゃんも可愛い額に傷をつけている。
一応はケガ人のようだ。
みんなどう見ても完治してるけど。

そこにエクトール先生が現れた。

(さっき思い出したんだけど。
「エクトール」ってどこかで聞いたことあると思ったら、下痢止めの薬の名前だった。
正露丸よりよく効くすごいやつ!)

下痢止めの名前がイヤなんで、彩吹先生って呼んでいいですか。

彩吹先生はスゴ腕の医者だ。
「患者の様子が急変した」との報せに、その患者を診もせず名前すら聞かずに
 「気管の切開だ!」
と判断できちゃうほどの辣腕。
辣腕すぎて、逆に心配。
その彩吹先生が今日はなんだかボヤンとしている。
どうやら、心配ごとがあるらしい。
だが何を心配しているのか?
なかなか教えてもらえない。
焦らす焦らす。
教えてや早く!
いらいらしはじめた頃やっと判明。
 「看護士のアンリエットが医薬品を取りに遠くの町まで出かけてるんだ。
  無事に帰ってこれるか心配してるんだよ!」
あ、そう。

もちろんアンリエットはちゃんと帰ってくる。
荷車といっしょに。
よかったね。


○ アンリエット

アンリエットは白衣の天使。
キビキビ働く強いお姉さん。
だけどちょっと、鬼。
彼女は心に傷をもつ。 
オーストリア兵に両親を殺されたのだ。
だからオーストリア人なんて大嫌い、ケガしてたって助けてやらない、と決めている。

ここにもう一人。
老医師がいる。
未沙のえる師。
医者のくせに酔っ払いでアンリエットには叱られてばかり。
飲酒運転ならぬ飲酒手術しちゃうんだから叱られて当前だが、
彼にも言い分がある。
 「ワシの大事な一人娘はオーストリア兵に殺された。
  これが飲まずにいられるかってんだ!」
そしてアンリエットを捕まえてこうも言う。
 「アンリー・デュナン君を見習いなさい。
  ケガした人のために寝ずに働き続けている。
  彼には敵も味方もない!」
そらそうや。
あの人はスイス人やもん。
敵も味方もあらへんわ。
なんて、思わない。
アンリエットは実は素直な女の子なので
人間愛のお手本・無精ひげを生やしたアンリー君もちょっといいなと思い始めるのです。


○ 子守歌ではなくて

教会の裏。
捕虜たちがたむろっている所へ
イタリア兵がやって意地悪をはじめた。
いたいけなポポリーノ少年からハーモニカをとりあげて
 「お母ちゃんが恋しいのか?やーいやーい」
といじめている。
あんたら小学生か。
止めに入ったオーストリア勢と勝ち組のイタリア勢。
つかみあいのケンカに発展しようとしたとき、
 「やめないか!」
人間愛のお手本・アンリー・デュナン君の登場です。
お説教をまた一席。
 「イタリア兵だってほんまはお母ちゃんが恋しいんやろ!
  みんな一緒や!
  みんなおんなじ人間なんや!」
そしてポポリーノにハーモニカを吹いてくれと言う。
流れる曲は『アヴェ・マリア』シューベルトバージョン。

これが『ベルばら』みたいに子守唄だったら一巻の終わりだが
名曲の力は凄い。
「アヴェ・マリア」は見事にこの場を収束させる。
看護婦さんがソプラノで歌いだし
その歌の美しさに男達が振り上げた拳をおろし
泣きながら和解し、合唱しまくっても、
 「戦時中なら実際にこういうことあったかも」
と納得してしまう。
植田作品に納得するなんてこれほど悔しいことはないが、それでも、
・・・ありがとう、シューベルト。


○ 赤十字の旗

教会の中。
正面にはシンプルな十字架がどーんと据えられている。

アンリー君がめずらしく机に向かっていると、
ニュースがとびこんできた。
 「ケガ人が新たに30人送られてくる!」
教会の野戦病院はすでに満員御礼。
薬も食料も、人手も足りないのに。
未沙のえる師はすっかり諦めて
 「ムリ!」
と断言。
だがアンリー・デュナン君は何がなんでも受け入れたい。
命をぜんぶ救いたい。
ここには施設も整ってないし、受け入れてどうするつもりだ?と責められると
 「ケガ人を荷車にのせて町まで連れていきます」
と宣言。
 「もっとムリ!」
町へ行くには戦場を突っ切らなければならない。
一般市民だろうがケガ人を連れてようが、戦闘中では見分けがつかない。
あっという間に蜂の巣にされてしまうに違いない。
どうすればいい?
デュナン君は考えた。
『ケガ人を連れています』としらせるために、遠くから見える、一目で伝わるマークがあればいい。
 「神よ、私にアイデアを!」
デュナン君はとっさに祈りをささげた。
振り向いた目の前には、十字架。
 「ひらめいた!」

デュナン君は干してあったシーツをひっぺがし、机にむかう。
べっとりと血のついたガーゼを手に線をひく。
真っ赤な線を本。
クロスしてもう1本。
赤い十字ができあがる。
 「これです!」
血で描かれた旗を誇らしげにみんなに見せた。
赤十字マークの誕生だ。


○ 誰が行く?

赤十字の旗を見て、みんなは
 「これがあれば町まで行けるかも」
と思い始めた。
でも、誰が行く?
旗があっても危ないことに変わりはないし、人手もない。
アンリー君は元気よく名乗りを上げた。
 「僕が行きます! 行かせてください!」
当たり前だろ。
あんたが言い出しっぺなんだから。

 「他には誰が行く?」
そうだ、地元民のおっちゃんに行ってもらおう!
誰よりもこの土地に精通しているおっちゃんなら、安全な道を見つけられるはず!
 「そうでしょう?」
と誰かにいわれて
 「えー、まあ、行けんこともないが、あのー」
『行きたくない感』を思いっきり匂わせるおっちゃん。

アンリエットも名乗りをあげる。
 「私が行きます!
  私が一番、道を知っています!」
じゃあ、おっちゃん行かなくてもいいやん?

 「我々も行かせてください!」
男たちも志願した。
さっきのアヴェ・マリアで仲良くなった、イタリア軍とオーストリア軍、
両方の兵隊もおんなじこと言った。
 「我々が一緒なら、怪しまれずに通れるはずです!」


○ 送り出す男

みんなそろって町まで行こう。
大冒険の始まりだ。
出発の支度をしているアンリエットに
少女達?が「お守りに」といって木の葉をプレゼントしてくれた。
ウフフと笑って
 「鰯の頭も信心から、よ!」
・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・。
イワシ。

あ、呆然としちゃってた。

下手から彩吹先生がご登場。
まぶしい緑の服を着て。
びっくりするような一張羅である。

この芝居、衣装がとにかく血みどろだ。
戦場の血。
ケガ人の血。
看護婦さんのエプロンに血。
主役のアンリー君すら血と泥でよごれた服を着て
珍巨匠の作品にしては汚い衣装のオンパレードなのである。

彩吹先生だってもちろん汚れた白衣ばっかり着てた。
ところが、この場面だけは違う!
緑色!
若草色、かもしれない。
普通の芝居なら普通の服なんだけど、今までが汚かったから、
血も泥もついていないだけでピカピカに輝いて見える。
・・・だが、そのまぶしいくらいキレイなお衣装に
「ああ、これが最後の場面だな」と覚悟してしまうのがせつない。

それはさておき、勝負服きた彩吹先生。
アンリエットにプロポーズくらいするのだろうかと思ったが、そうでもない。
ただ
 「いってらっしゃい」
を言いに来た。
彼はアンリエットが好きだけど、好きだからこそ彼女の意思を尊重したいと思っている。
アンリエットはそんな彩吹先生の気持ちを熟知したうえで
 「デュナンさんについて行きたいんです!
  彼の手伝いがしたいんです!
  行かせてください!」
とか言う。
抱きついて言う。
やはり鬼である。
抱きつく必用はべつにない。
そのうえ邪魔が入る。
未沙のえる師が怒鳴りこんでくる。
これにはびっくりする。
 「おまえはそれでもいのか!
  愛する女を行かせちゃっていいのかー!?」
な、なんだなんだ?
なんでアンタが割り込んでくるんだ?
 「女は、強い愛を求めているんだ。
  奪ってほしいと思ってるんだ。
  それなのになぜ奪わない!」
・・・天下の未沙のえる師に何を言わせるのだウエダ。
あまりの剣幕にちょっと引きつつ、彩吹先生は
 「こんな愛があってもいいと思いませんか」
とか何とか言いくるめていた。
年寄りの思い込みには困ったもんだ、と。

アンリエットを送り出した彩吹先生。
銀橋へでて一曲、歌う。
最後のソロを。
 「ありがとう。だからまた歩き出す。」
そんな歌だ。
さよならを意識した、これは良い歌なのか。
それとも彩吹さんが歌うから良いのか。
どっちかわからない。
どっちでもいい。
ただ、聴いている。


○ ラストシーン

戦場。
舞台下手に大きな砦のセット。
上手から、白い軍服のオーストリア兵が2名、銃をかまえて攻めるが、
逆に撃たれてコロンと転がる。

町へ向かう一行が戦場へさしかかった。
先頭はもちろんアンリー・デュナン。
赤十字の旗を掲げている。
それからアンリエット、未沙のえる師、男達。
ケガ人をのせた荷車を引いている。
アンリーが撃たれたオーストリア兵に駆け寄り、これも荷車にのせてやる。

 「止まれ!何者だ!」
厳しい声がとんできた。
赤いズボンのイタリア兵がずらりと並び、銃口をこちらに向けている。
反対側からもオーストリア兵が狙っている。
彼らは挟み撃ちにされてしまったのだ。
しかも両方の兵隊をつれているから、両方から敵だとみなされている。

砦の上には偉いさんが2人。
一行を見下ろしている。
・・・ああ、あれはハマコ閣下と軍人音月だ。おひさしぶり。
 
 「撃たないでください!
  ここにいるのは敵ではなく、傷ついた人間なのです!
  ほら、この旗を見て!」
アンリー君が叫ぶ。
だがそんな旗もマークも初めて見たし、第一、
 「敵兵もいっしょに運んでるじゃないか」
と音月くんに指摘される。
 「こいつらは裏切り者だ。撃っちゃえ!」
 「待ってくださいー!」
デュナン君は必死に喋る。
喋る。
喋る。
ものすごく。
ハマコ閣下と凄まじいディベートをくりひろげる。
この迫力はたいしたものだ。
アンリー・デュナンは人間愛を説き、戦争の虚しさを説く。
ハマコ閣下は
 「そんなもの理想論だ。戦争はなくならない」
と冷静に否定する。
 「それでも、いつか・・・いつか!」
血を吐くように叫ぶアンリー君。
すごく迫力のある場面で
すごく熱くて、
頑張っているのが伝わるが、
台詞の意味がちょっぴりわからない。
迷子になっていたら音月君が
 「とにかく殺しちゃいましょうよ」
って言う。
そだね。
うん、そうしよう。
 「ハマコ閣下、銃撃のご命令を!」
撃っちゃうのか。
撃っちゃうのか。
撃っちゃうのか。
 「敬礼ー!!!」
ひときわ大きなハマコ閣下の声が響いた。
なんで敬礼。
突然の敬礼。
音月くんがびっくりしているが私もちょっとびっくりした。
引き金に指をかけていたイタリア兵たちも一瞬、オロッとしたけれど
なんとか「敬礼」のポーズをとった。
向こう側を見ればオーストリア兵まで敬礼をしている・・・多分、つられたのだろう。

ケガ人をのせた荷車の列が、戦場を突っ切ってゆく。
みんな無言だ。
粛々と進む。
荷車はセットの陰から続々とあらわれる。
こんなにも運んでいたのだ。
アンリー・デュナンが赤十字を掲げている。
旗を大きく振っている。
大きく大きく振っている。
・・・大漁旗みたい。
一行が上手の花道に消えると、幕。
カテゴリ: ネタバレ!
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