駄らだらと語る宝塚ファンのブログ
駄らだら、たからづか。
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 「ネタバレ!」 2007年 03月 18日 (日) 00:14

○ 夢


戦争。
空襲。
鳴り響くサイレン。
防空頭巾にモンペをはいた、昭和の女の子が助けを呼んでいる。
 「助けて、お兄ちゃん!」

○ Black Lizard


戦後の東京。
華やかなクラブ「Black Lizard」。
セットにも巨大な蜥蜴がうにょーん!と這っている。
ムダに大きなな蜥蜴だが・・・黒くない。
黒くないよ!
なぜか黄色い、この蜥蜴。

「Black Lizard」を経営しているのは「マダム」と呼ばれる黒蜥蜴(桜乃彩音ちゃん)
黒いドレスに白い肌。
黒蜥蜴の刺青をもつ謎めいた美女である。
ちなみに得意技は「トカゲちゃんダンス」らしい。

ある夜、彼女の店へとびこんできた男がいた。
通称・潤ちゃん(真飛聖サン)
 「人を殺したんだ! 匿ってくれ!」
すると黒蜥蜴はおもしろそうに微笑んだ。
魔女のように。
悪魔のように。
冷たい微笑み。
 「困ってるなら助けてあげよう。
  その代わり何でも言うことをきくのよ。
  これであんたは私のもの♪」
 「ハイハイ、なんでも致します女王様!」

こうして潤ちゃんは黒蜥蜴の奴隷になった。


○ 予告状


舞台はとあるホテル。
大金持ちの宝石商・岩瀬氏(夏美ようサン)は、不気味な予告状を受け取っていた。
 『娘・早苗嬢をいただく』
可愛い娘が狙われている!
そこで雇われたのが明智小五郎(春野寿美礼サン)
名探偵である。
名探偵だが・・・今回はかなりヤル気がない。
まったくない。
 「君はなぜ結婚しないんだ。犯罪が恋人なのか?」
と尋ねられて
 「いや、犯人は男ばかりだ」
と答える始末。
 「たいく~つ~だ~」
どえらい美声で退屈の歌まで歌ってくださる。
正義だとか。
ひとのためとか。
 「言葉だけが空回りしている」
明智は仕事に飽きたのか。


○ 賭けをしませんか


ところが予告状は本物だった。
犯人はマダム黒蜥蜴。
友人を装って岩瀬親子に近づいた黒蜥蜴だったが、名探偵のあまりにもヤル気のない姿に悲しくなったのかもしれない。
 「そんなに退屈なら賭けをしませんか?」
と言い出した。
 「早苗さんが誘拐されたらあなたは探偵をやめる。
  犯人を捕まえたら、私は宝石を差し上げましょう」
明智はあまりの退屈さ加減に、
 「ハッハッハ! しょーもなー」
と一蹴した。
すると周りのホテルマンたちも一緒になって
 「ハッハッハー!」
意味不明な笑い残して去っていった。
・・・なんなんだ、あれは。


○ 誘拐


暇つぶししている明智の背後で誘拐は着々と行われていた。
以下は誘拐の手順。

1)黒蜥蜴が早苗を誘いだす
2)早苗を気絶させ、トランクに詰め込む
3)潤ちゃんがトランクを運んで逃走
4)黒蜥蜴が早苗さんに変装
5)眠ったフリをして人形の首をベッドに置き、抜け出す

父親である岩瀬氏は黒蜥蜴の変装にもまったく気づかず、
 「早苗ちゃんはお寝坊さんだなあ」
などとのんきに思っていた。

しかし我らが明智は騙されない。
アッ!
という間にトリックを見抜いて早苗さんを保護。
 「犯人はあなただ!」
と黒蜥蜴を追い詰めた。

○ 明智と黒蜥蜴


黒蜥蜴は大物だった。
バレてもちっとも動じない。
 「さすがは明智さん。思わず惚れてしまいそう」
名言を吐きつつ、ピストルを突きつけて逃亡したのである。
必ず捕まえてやるぞと宣言する明智に対しても
 「その時までに女を磨くわ♪」
と余裕の構え。

明智も明智だ。
犯人に逃げられたくせに嬉しくてたまらないらしい。
銀橋まで出て歓喜の歌を歌っちゃう。
 「ついに出会った宿命のライバル!」
今までのような雑魚ではない。
ドキドキするような大物だ。
賢くて大胆で、そのうえ美人ときたもんだ。
これ以上の獲物はないぞ。
早くこの手で捕まえたい!
でも捕まえるのが惜しいくらい、このドキドキを楽しんでいたい。
 「黒く輝くぼくの蜥蜴ちゃん♪」
くねくね歌っておられます。


○ 替え玉


大金持ちの岩瀬さん家。
女中と書生が大群で住んでいるお屋敷です。
黒蜥蜴に狙われた早苗さんをお守りするためでしょうか。
女中のなかには鈴懸三由岐サンまでいるし。
書生のなかには愛音羽麗君をはじめ目ぼしい若手は勢ぞろいだし、
お笑い担当の日向燦ちゃんもいる上に、
なんと大伴れいかサンまで学生服でいらっしゃいます。
ほとんど人海戦術の域。

ところが早苗お嬢様(野々すみ花サン)は派手に暴れていらっしゃいました。
ワガママ放題、荒れ放題。
 「飲めー! 歌えー! 宴会じゃー!」
あんたホンマにお嬢様ですか。
と思ったら、実は「替え玉」。
明智が用意したニセモノなのです。
本物の早苗は安全なところに匿われているのだとか。
このことは明智先生と助手の小林少年だけの秘密で、
実の父親さえも娘が替え玉だということに気づいてない。
・・・気づいてない。
気づけよ。
自分の娘だろ。
しかも2回目だろ。
パパ、騙されすぎ。

お間抜けなパパですが、娘が可愛くて仕方が無いわけで。
ワガママ娘に
 「ソファを買ってきて!」
と命じられれば
 「今すぐ!」
いそいそと買いにいってしまいます。
ほとんどパシリの夏美よう。

それはともかく。
替え玉の早苗お嬢様は、束の間のセレブライフを満喫しておられます。
書生たちにはこんなリクエストを。
 「私を口説いて!」
・・・ああ、なんて楽しそうな替え玉ライフ・・・。

○ 波越警部


波越警部(壮一帆くん)は明智の友人。
トレンチを着て気取ってますが、実はあんまり役に立ってない警察のヒトです。
早苗さんの宴会にも出席。
ソーランを歌って叱られたり、
奥さんへのプロポーズの言葉を追求されたり。
 「結婚してください」
とシンプルな歌を歌ってみたりしています。


○ 人間椅子


岩瀬パパは、ワガママ娘に命じられるまま、上等なソファを買ってきてあげました。
これがまた・・・ものすごい色で。
どこで買ったんだこんなソファ!
スペインか?
キューバか?
南アフリカか?
 「お父さんの愛を受け取れ!」
てな激しい青と黄色のソファなのです。

しかもこのソファが命取り。
お父さんは知る由もありませんでしたが、座席の中にはなんと、黒蜥蜴の手下(奴隷の潤ちゃん)が潜んでいたのです。
早苗さんが一人きりになったところに襲いかかり、また気絶させてソファの中に押し込めました。
良心が咎めるのか、
 「すまない、早苗さん。
  命令をきけばきくほど、俺はあの人(黒蜥蜴)に惹かれてしまうんだ!」
・・・完全奴隷だから、潤ちゃん。

そのあと潤ちゃんは酔っ払いの浮浪者になりすまし、ソファにゲロをぶちまけたから、さあ大変。
 「うわっ、酔っ払いめ、どこから入ってきた?」
 「早く出ていけ!」
 「汚れたソファも外へ出しておけ!」
こうして誘拐犯は早苗さん入りのソファもろとも屋敷を出ていったというわけです。


○ 公園デート


早苗さんは再び誘拐されました。
悲嘆にくれる岩瀬さんへ、黒蜥蜴から電話がかかってきます。
 「身代金としてエジプトの星(=でっかい宝石)を持って上野公園へ来い」

ということで舞台は上野公園へ。
浮浪者やカップルや『大仏カステラ』の売店などでにぎわう公園です。
細かい芝居の多い場面で、ベンチでいちゃつく援助交際カップルをみている間に話が進行しているので、この間センターで何が起こっているのか私は見たことがありません。

そんな人目につくところで身代金の取引をした黒蜥蜴。
尾行を心配したのでしょう。
岩瀬さんと別れると、『大仏せんべい』の店員さんに
 「助けてください!
  私、悪い人に追われているんです。
  見つからないよう逃げたいので、服を交換してくださいませんか」
と頼みました。
こうして売店のおばさんに化けた黒蜥蜴は・・・割烹着。
宝塚の。
ヒロインが。
白の割烹着。
なんだかマニアックだ。

変装だけでは不安なのか、黒蜥蜴はもう一つお願いをします。
 「念には念を入れたいので、おじいさんも一緒に来てくれませんか。
  2人一緒だと怪しまれないでしょう?」 
ところがこのお爺さんが実は明智小五郎なのだ。
ヒゲつけて。
腰まげて。
喋りはペスカトレ国王で。

おじいさんに扮した明智小五郎、割烹着姿の黒蜥蜴。
化かしあいを演じる2人は、それでも銀橋を渡るうちにいい雰囲気になっていきます。
相手が明智だとは知らぬまま話すうち、黒蜥蜴はピュアな心を垣間見せるのです。
明智が思わず
 「あんた、純粋なんですねえ」
と言うと、黒蜥蜴は
 「そうよ。まだ男も知らないのよ」
・・・えええ! ジャンヌ・ダルクなのか黒蜥蜴!
などと驚いていたら、明智の答えが
 「恥ずかしながら、実は私も」
・・・えええ! ××なのか明智!


○ 追跡


明智小五郎といえば忘れてはならないのが少年探偵団。
男の子たちがちょこまか働いております。
リーダーは可愛くてちょっと小生意気な小林少年(桜一花ちゃん)
仲間をまとめる掛け声も溌剌として
 「ゆこうーーー!」
バスティーユあたり攻撃しに行きそうな勢いです。

明智ももちろん黒蜥蜴を追跡しております。
ライトに浮かびあがったのは2台の車。
下手の車が『黒蜥蜴号』。
手に入れたダイヤにみとれているのが黒蜥蜴、
その黒蜥蜴にみとれる運転手は潤ちゃんです。
・・・前むいて運転してください。

上手の車は『明智号』。
「黒蜥蜴に惚れちまったぜ逃さない~」と歌う明智小五郎、
「なに寝ぼけてるんだオマエ~」と冷ややかに歌う運転手は波越警部です。
・・・あなたも前むいて運転してください。
2台とも、センターライン跨ぎっぱなしやん。


○ 人間椅子ふたたび


行き着いたのは船でした。
黒蜥蜴様の専用船。
お風呂あがりの女王・黒蜥蜴様は、バスローブ姿で
 「いいお湯だった」
と船室でくつろいでおりました。
と、そのとき。
ひとの気配に気づきました。
自分一人のはずなのに。
この部屋の中に誰かいる。
誰かが。
明智が!
ドクン。
ドクン。
心臓の鼓動が聞こえてきます。
お尻の下から。
ソファの中から。

あれですよ。
岩瀬パパが買ってきて。
早苗さんを誘拐するのに使われた超ド派手ソファ。
・・・なんで置いとくのよこんなソファ。
ゲロの臭いが染み付いてるんじゃないのか?
そんな臭いところに明智は隠れているのか?

黒蜥蜴がソファに向かって
 「明智さん、そこにいるの?」
呼びかけると
 「いるよー」
気軽にこたえる明智くん。
 「出てきてもいい?」
 「だ・め・よ♪」
甘い声で囁きながらも、黒蜥蜴は仲間を呼ぶと、ソファをロープでぐるぐる巻きにして、
 「海に放りこんでしまえ!」
と命じました。
哀れ名探偵はまっさかさまに海の中。


○ 松公


甲板。
ライバル明智を始末して勝利に酔いしれるかと思いきや。
黒蜥蜴は悲しくうなだれておりました。
彼女は明智に対してライバル以上の感情を抱いていたのだとか。
 「ああ明智さん・・・あなたは死んでしまったのね!」
いやいや。
死ぬわけがない。
ヒーローは観客から見えないところでは死なないと、相場がきまっているからだ(児玉作品以外)。
明智は、実はソファではなく、タンスの中に隠れていたのである。
・・・つまり黒蜥蜴は勘違いしたのだな。
明智は死んだと思われているのをいいことに、またしても変装して黒蜥蜴に近づいていく。

今回の変装は黒蜥蜴の手下「松公」。
いわゆる海賊スタイルで。
眼帯、黒髭、赤のシャツ。
頭の弱いキャラらしく、
 「黒蜥蜴さま~。
  ワシにはよくわからねえけども~」
と素朴を装って近づいた。
そして嘆いている黒蜥蜴に
 「悲しむことはありません。
  明智ってやつは、黒蜥蜴さまに殺されてもよかったんですよ。
  殺されてもいいほど黒蜥蜴さまのことが好きだったんですよ」
すると黒蜥蜴は泣き出した。
 「私、ほんとは明智さんが好きだったのに! 大好きだったのに!」
松公に抱きついてわんわん号泣する黒蜥蜴。
・・・そろそろ気づけ。


○ 黒蜥蜴のお家


船は黒蜥蜴の隠れ家へ到着しました。
今までの地道な芝居とは一転。
いきなりショーが始まります。
赤いドレスに赤と緑の変なカツラ。
素っ頓狂な女性達が声をそろえて
 「ここは楽園だわ~」
と歌い踊っているのです。
鈴懸三由岐サンに至ってはモヒカン頭を振り回す始末。
アオセトナ様あたりが出てきそうな異様な雰囲気ですが、
ここに君臨しているのは黒蜥蜴なのです。

黒蜥蜴は戦争で身寄りをなくしていました。
大好きだった兄さんと離ればなれになり、一人ぼっちになった悲しい過去があるのです。
だから泥棒稼業で大金を稼いで、自分と同じように一人ぼっちになった人々を集めて平和に暮らせる施設をつくっているのでした。


○ お兄ちゃん


子供のころ生き別れになってしまった兄。
黒蜥蜴は今でもこの兄をずっと忘れることはありませんでした。
 「大好きなお兄ちゃんだったの。
  私にコマをくれたのよ。
  だから私は代わりに押し花をあげたの。
  『いつかお嫁さんになる人にあげてね』って」
嬉しそうに語る彼女はまるであどけない少女。
明智を海に放り込んだ女賊・黒蜥蜴とは別人のようです。
少女のような。
悪魔のような。
極端な二面性をもつ黒蜥蜴に潤ちゃんは惹かれていきました。
 「そのコマを俺にくれ!
  俺と結婚してくれえ!」
プロポーズしたのですが
 「あきまへん」
一言で却下。
 「あなた、私を愛したの?
  もう終わりね。
  愛なんて信用できないもの。
  これからは牢獄で暮らしなさい」


○ 牢獄


ついさっきまで黒蜥蜴の右腕だった潤ちゃんですが、
よくわかんない理屈でいきなり牢屋にほうりこまれてしまいました。
でも、一人ではありません。
誘拐されてきた早苗さんも一緒でした。
閉じ込められて暴れる潤ちゃんとくらべて、早苗さんは強かった。
ものすごく強かった。
切り替えの早さが彼女の武器か。
 「結婚しましょう!」
・・・なんですと?
 「け、け、結婚って、誰と?」
 「私とあなたよ! ダメ?」
ダメに決まってるやろ!
何言い出すのあなた!
 「きっと明智さんが助けに来てくれるわ。
  そしたら自首してちょうだい。
  待っていてあげるから、出所したら結婚しましょう」
どうしてそうなる!?
あまりの唐突さに潤ちゃんが言葉を失っているのをいいことに、
 「プロポーズして!」
と畳み掛ける早苗。
 「ちゃんとプロポーズして。それだけが私の夢だったの!」
あんたの夢なんか知らんがな!
と、言い返すのかと思いきや
 「結婚してください~」
なぜか直球勝負のプロポーズを始める潤ちゃん。
正気か。
いいのか。
もう一回よく考えろ潤ちゃん!
・・・いや、その前にまず牢屋から出ることを考えろ君たち。


○ 松公の正体 


真っ暗な舞台。
雷鳴が轟いている。
松公に扮した明智の声が
 「黒蜥蜴さま、夕刊をお持ちしました」
と告げると、灯りがともって・・・
 「そんな馬鹿な!」
新聞記事に驚愕する黒蜥蜴。
 『誘拐された娘・早苗さんが無事に戻る』
というニュース。
牢獄で潤ちゃん相手にプロポーズしている早苗は替え玉だから、
本物の早苗が家に戻ったのだろう。

まんまと出し抜かれた黒蜥蜴。
彼女を襲うもうひとつの事実。
オトボケ者の松公が変装をむしりとると、そこには・・・
 「明智さん! 生きてたのね!」
明智がキザって立っていた。
ネクタイなんかお洒落なピンクでキメキメだ。
 「悪事はすべて暴かれた。
  もうすぐ警察が踏み込んでくるだろう。
  あきらめて自首しなさい」
と明智が説きつけると、黒蜥蜴は敗北を認めながらも
 「プライドを失くしては生きていけない!」
ピストルをこめかみに当てました。
すると明智は
 「じゃあ、こうしましょう。
  世界は消えた。
  僕たち2人だけが残った。
  結婚しましょう!」
またも唐突にプロポーズソングが出現。
しかしこれが乙女心に火をつけて、明智の胸にとびこんでいく黒蜥蜴。
 「あんた、純情なんですねえ」
と明智がいえば、彼女の答えは
 「まだ男も知らないのよ♪」
・・・そこは強調しなくていいから。


○ コマと押し花


さて、結婚を決めた明智が黒蜥蜴にプレゼントしたものがありました。
 「ある人の思いが詰ったものなんだ」
と言って。
 「何かしら?」
開けてみて、愕然。
呆然。
押し花でした。
生き別れになったお兄ちゃん、大好きだったお兄ちゃんに
 「いつかお嫁さんにあげてね」
と自分自身が渡した押し花でした。
お兄ちゃんのお嫁さんにあげたはずが・・・戻ってきちゃったよ!

つまり、2人は実の兄妹だった!
『華麗なる一族』のテーマでも流しておきたい場面ですが、
 「ふん、そんなことだろうと思ったよ」 
一気にやさぐれてしまう黒蜥蜴。
お兄ちゃんはどうして明智なんて偽名を名乗っていたのかしら。
私はどうして愛してしまったのかしら。
再びピストルを手にとると、
 「愛をとるの? 命をとるの?
  答えは一つ!」
小難しい二択をならべて自ら胸を撃ち抜きます。

明智があわてて駆けつけてももう遅く。
彼の腕に抱かれて黒蜥蜴は死んでいくわけです。
明智にコマを手渡して、
 「お兄ちゃん大好き」
と少女の声で呼びかけながら。

いつのまにか波越警部が来ていたり、
早苗さんが救出されていたり、
潤ちゃんが逮捕されていたりするのですが、
明智さんは目もくれない。
黒蜥蜴の亡骸はセリ下がっていき、それとともに明智の心も闇へ沈んでいく。
 「私が愛したゆえにあいつを死に追いやってしまった」
悲嘆にくれて歌います。


○ 絶望の明智


歌っている間に半年が過ぎたそうで。
いまだ絶望の淵から浮かびあがれぬ親友を心配して
 「明智は探偵をやめたのか」
とつぶやく波越警部。
・・・半年も仕事してないのか。ある意味、いい身分だな。

スーツの上着を脱いで放心状態の明智。
階段の上で孤独に佇んでいます。
人々は名探偵の再起を望んでいるようですが、彼は
 「妹ひとり救えずになにが名探偵だ」
と落ち込んだままなのです。
 「コマがなんだ!
  押し花がなんだ!」
叫びながら投げ捨てようとしたとき。
押し花に書かれた言葉が目に入りました。
黒蜥蜴が最期にのこした走り書き。
 「生きて」
明智はようやく顔をあげました。

舞台には、波越、早苗、少年探偵団・・・
明智をとりまく人々が総出演で彼を待っています。
明智はゆっくりと階段をおりると舞台センターに立ちました。
そこへ小林少年が、
 「先生、事件です!」
と報せにきます。
明智はゆっくりとジャケットに袖をとおし、帽子をかぶって言いました。
 「小林君、待たせたね。行こう!」
事件に向かって歩いていく彼を人々が見つめています。
大勢の人の中さりげなく黒蜥蜴の姿が。
微笑みながら明智を見守っているようです。
最後に明智が銀橋上手で颯爽とポーズをキメて、幕。


原作から100キロくらい離れてはいますが、後味のいいラストシーン。
いいお話にまとまってますす・・・が!
背景にヴィーナスの顔が、どーん!
あれは何?
ボッティチェリ?
とっても摩訶不思議。
カテゴリ: ネタバレ!
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