駄らだらと語る宝塚ファンのブログ
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 「なんとなく花のみち日記」 2010年 07月 27日 (火) 00:25
アスファルトさえ溶けそうな。
陽炎のたつ花のみち。
うだるような西日にさらされて
 「今ここでアイスや氷を売り歩いたら儲かるだろうに」
と考えていると。

夕焼け空に、雪がひとひら、舞い上がった。

ファンクラブさんが用意した演出なのだろう。
泡のような羽のような・・・何でできているのかわからないが
真白い雪の結晶が
軽々と空にのぼり
ひらりと雲にとけていった。

やがて雪のように白いファンの会服が大劇場前を埋めた。

雪組千秋楽。
退団者の袴姿を見送りにきた。

車がスタンバイする。
拍手がわきあがる。
袴姿の退団者が、ファンのあいだをゆっくりゆっくり歩いて通る。
とびきり幸せな微笑みを浮かべながら。

水ファンの人たちが
 「ミーマイの新公はご覧になったの?」
と昔話に花を咲かせているのが聞こえてきた。
そういえば月組時代の新人公演で、水さんはビルをやってたっけ。
素晴らしく楽しい新公で、新しい時代の幕開きを感じたものだ。
あれから、いっぱい。
いっぱい観たなあ。
いっぱい楽しませてくれた。
あのとき始まった一つの時代が今、終わろうとしている。

感慨にふけっている間にもパレードは続いていく。
真波そらちゃんが報道陣を無視して車に乗り込もうとした。
 「そらちゃんらしい」
とファンが呟いた。
ちょこまかと動く姿が可愛かった。

愛原実花さんは目じりを拭っていたが
美しく凛とした姿でファンにきちんと頭をさげた。
ありがとうございましたとはっきりした声が届いた。

最後に水さん。
それは驚くほど静かなお見送りだった。
静かに静かに。
ペンライトの青い光が、海底みたいに揺れていた。

怒涛の拍手がわかなかったのは、
ファンの人たちがペンライトを振っていたためだ。
そのかわりに呼んでいた。
口々に呼んでいた。

水さん。
水さん。
水さん。
水さん。

叫びではなく。
泣き声でもなく。
拍手にかき消されることがないぶん、一人ひとりの呼び声がよく響いた。
熱い想いがよく響いた。

水さん、ありがとう。
ありがとう。
ありがとう。

水さんはファンに笑顔でこたえ、
お辞儀をし・・・
なんだか見た事もないような穏やかな表情で去ってしまった。
ふわりと。
雪がひとひら、空へ昇っていくように。

こうして
怜悧な男役のシルエットは大劇場から姿を消した。
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